第1話
昔々、あるところに「蓬の国」という小さな国がありました。その国の民はみな農耕で生計たて、しかもここで取れた野菜や果物は近隣の国からも評判が高く、人々はみな幸せに暮らしていました。
あるとき、その国の王様とおきさき様の間にひとりの女の子が誕生しました。『あおい』と名づけられたそのお姫様は、大変かわいらしく、肌も白い雪のように透きとおっていたので、いつの日か「白雪姫」と呼ばれるようになり、国民の絶大なる支持を受けるようになったのでした。
その後
最初のお妃様を亡くした王様は2度目の妻を娶ることになりました。
軍事大国『チタニア』の王の孫娘で名を『ファイナ』といいました。
ファイナは表向きは清楚で上品な姫君でしたが、その真意は国民は愚か、当の王様も知ることは無かったのです。
そして、あおいが16歳になったあるとき・・・・
「えええ―――!!お見合いパーティ―――!!((¥¥))」
お年頃となったあおいは近隣諸国からの貴族王族からも大変人気が高く、交際の申し込みはもとより、側室、正室入りの話、中にはあおいを時期女王に迎えたいと申す国まで現れる始末・・・
そんなわけで、この国の王様は一計を案じ、あおいにふさわしい相手を本人で選んでもらおうと考え、この企画を立てたのだが・・・
「ヤダ!!あおいには心に決めた人がいるもん!!その人意外とは結婚しないから!!!」
「なに―――!!!!!」
「あら、よろしいではありませんか」
あおいの告白に困惑していた王様のルクスンにさらに追い討ちをかけるように、お妃のファイナはあおいの意見に賛同したのでした。
「あおいさんがそうまでおっしゃるのならその方をぜひこのお城に一度招待したらいかがかしら?」
「なッなッなッ君までなんてことを!!!」
「わかった!!きっとこうじも喜ぶし〜〜」
その言葉にファイナのまつげがピクリと痙攣しました。
「あおいさん・・・・その「こうじ」さんてどちらの方なの?」
「え〜とね・・・・・たしか、SDの森のはずれに住んでいると思うんだけど・・・・」
「エ、え、絵、SDの森だって―――!!!ならん!断じてならんぞ〜〜〜!!!!」
国のはずれに位置する『SDの森』には恐ろしい集団が潜んでいると言われ、その森には誰も近づいてはならないというお触れまで出ているのである。
「そそそ・・・・そんな恐ろしいところに住んでいるなど・・・奴は魔物だ!きっとそうだ!あ〜〜〜今は亡き父上!母上!わわわわたくしはどうしたら・・・・・うぅぅぅっぅうをおおおおおおおん!!!!!」
あわてふためいた王様はとうとう泣き出してしまいました。
「国王!取り乱してはいけませんわ!・・・・・・・・わたくしによい考えがございますから・・・・・・」
そういってお妃のファイナは王様に何やら耳打ちしました。
「そうか!そうすればよいのか・・・・・・では明朝にでも捜索開始だ―――!!!!」
「ねぇ、ねぇ・・・いったいどうしたの?教えてよ!」
「それは明日教えてあげるわ・・・・・」
そういってファイナは薄い笑みを浮かべました・・・・・・・